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【取材記事】のんびり散策も楽しい♪紅葉シーズンの牧野記念庭園へ!
2024年11月20日|カテゴリー:牧野記念庭園プロジェクト
植物学者・牧野富太郎博士の住居と庭の跡地にある牧野記念庭園。
牧野博士をモデルにしたNHK連続テレビ小説『らんまん』の放映をきっかけに認知度が上がり、訪れる人が大幅に増えました。秋から冬に向かうこの季節、牧野記念庭園の赤や黄に色づく木々、実を付ける植物、寒い季節に花を咲かせる植物をご紹介します。
松ぼっくりや紅葉…庭園には秋がいっぱい
正門を入ってすぐの場所にそびえ立つダイオウマツ。ぐっと見上げると、今の時期は立派な松ぼっくりを見つけることができます。
左からダイオウマツ、クロマツ、アカマツの松ぼっくり。ダイオウマツの松ぼっくりのサイズは、20cm近くもあり、実物を見るとその大きさにビックリ!
松ぼっくりのほかにドングリもたくさん転がっています。お子さま連れのお散歩も楽しい季節です。
紅葉する植物で一番多いのはイロハモミジ。どんどん広がっていく習性があるため、現在、園内の紅葉の主役になっています。
イロハモミジ 紅葉の見ごろ:11月下旬~12月中旬
牧野博士が存命の時代からずっとあるのがドウダンツツジ。博士はドウダンツツジが紅葉する様子を詠んだ歌も残しています。在りし日の博士の姿が思い浮かぶようです。
ドウダンツツジ 紅葉の見ごろ:11月下旬~12月中旬
名板にもご注目。博士デザインの「くるくるまきの」のマークは「博士植栽」の印
寒い時期に咲く菊の可憐な姿に心安らぐ
牧野記念庭園では、山野に自生する菊の仲間が見られます。その飾らない美しさは、何とも可憐で心が安らぎます。
ノジギク 花の見ごろ:12月上旬~下旬
ノジギクは牧野博士が発見し、命名した野生の菊。野路の名の通り、路傍で発見されました。園内の講習室では開花の様子を撮影した映像を流しているので、ぜひご覧ください。
講習室隣の花壇では、ノコンギクが花を咲かせています。薄い紺色の花びらが特徴です。
ノコンギク 花の見ごろ:11月上旬~12月上旬
カンアオイも花盛り!根元に見える柿のヘタのようなものが花です。
カンアオイ 花の見ごろ:11月上旬~12月中旬
実のなる季節は鳥たちもやってきます!
園内を散策していると、さまざまな種類の鳥の鳴き声が聞こえてきます。植物になった実を求めて、ヒヨドリ、シジュウカラ、エナガなどが園にやってくるそうです。
ムラサキシキブ 紫色の実が美しい
マユミ 愛らしい姿の実。果皮が4つに割れ、朱色の種子が顔を出します
鳥が食べきってしまう前に、色とりどりの木の実を観察してみてはいかがでしょうか。バードウォッチングを楽しみたい方は、双眼鏡もお忘れなく。
牧野記念庭園ならではの植物に出会う
牧野記念庭園にある2本の「ねりまの名木」のうちの一つ、ヘラノキ。来園時には、ぜひヘラノキの独特な苞葉(ほうよう)を見てください。
ヘラノキ 実のなる時期:10月~
西日本に分布する植物ですが、牧野博士が九州の知人から取り寄せて植栽しました。苞葉がへら状になっていることから、「ヘラノキ」と牧野博士が命名しました。
つぼみを守る役割のある苞葉ですが、ヘラノキの苞葉は実のなる時期まで残り、くるくると風を受けて遠くまで種を運ぶ役割も果たしています。
冬の植物と言えばヒイラギ。クリスマスのモチーフにもなるトゲトゲの葉でおなじみですが、牧野記念庭園には葉にトゲの無いヒトツバヒイラギという珍しい木があります。普段はヒイラギと気がつきにくいですが、白いヒイラギの花を咲かせます。
ヒトツバヒイラギ 花の見ごろ:11月下旬~12月中旬
庭園の一番奥、記念館の裏手にはサイカチというマメ科の大木が実をつけています。
サイカチ 実のなる時期:10月中旬~
サイカチの大きな実! 振るとカラカラと種子の音がします
現在はサイカチの実を食べる動物はいないそうですが、一説には太古の時代、ナウマンゾウが食べていたという説もあるとか!? 植物のロマンを感じますね。
造形作家・岩谷雪子氏の作品を通して、植物の魅力を再発見
記念館の企画展示室では、企画展「植物たちの声を聴く ―岩谷雪子の世界―」を2025年1月22日まで開催中です。
岩谷さんは普段見過ごされがちな植物の細部に造形的な魅力を見出すアーティスト。植物を採集し、乾燥させ、自然のままの美しさを損なわないように作品を制作しています。
園で採集したダイオウマツの雄花と葉で制作した作品
ダイオウマツ、スエコザサ、ヘラノキ、ツワブキ、ヤブミョウガ、イロハモミジなど、牧野記念庭園で採集した植物を使った作品が展示されています。岩谷さんの作品の繊細さに引き込まれ、気がつかなかった植物の美しさにハッとさせられます。
企画展「植物たちの声を聴く ―岩谷雪子の世界―」
≫詳しくはこちら
10名からガイドツアー催行! ガイドイヤホンの導入でさらに充実
2024年6月から練馬みどりの葉っぴい基金の寄付金を活用し、ガイドイヤホンが導入されました。これにより、ざわついた野外でも、学芸員の解説がはっきりと参加者の皆さんの耳に届くようになりました。
「使い方も簡単で、参加者の皆さんに大変好評です!」と学芸員の伊藤さん
牧野博士ゆかりの植物も多い牧野記念庭園は、解説付きだと一層楽しめます。10名から催行していますので、団体様で、お友だちと誘い合わせて、申し込んでみてはいかがでしょう。
≫詳しくはこちら(お申し込みは催行日の1か月前まで)
園内ではコーヒー好きな牧野博士にちなんだ「富太郎コーヒー」も販売中。自然の中で飲むあつあつのコーヒーは格別の味わいです。ベンチやテーブルもあるのでのんびりできますよ。
初冬の自然散策に、ぜひお出かけください。
※花や実の見ごろの時期は目安で、年によって前後します
※植物によっては花をつけない年もあります
※講習室で視聴できる映像は変更する可能性があります
牧野記念庭園プロジェクトに寄付をして応援しよう
練馬みどりの葉っぴい基金の「牧野記念庭園プロジェクト」は、牧野博士が大切に育んだ植生の保全や牧野博士の功績を次世代に伝えるための展示の充実を目指しています。寄付者特典として、庭園の企画展やイベントの情報を提供します。
〈牧野記念庭園プロジェクト詳細〉
寄付の方法は、ゆうちょ銀行の払込取扱票、クレジットカード決済など様々な方法があります。いずれも手数料はかかりません。ご都合に合わせて便利なお支払い方法をご利用ください。
(※注)大量の硬貨をお持ち込みされる場合、硬貨の枚数に応じて硬貨取扱手数料がかかりますのでご注意ください。
また、牧野記念庭園に設置している募金箱でも寄付ができます。
ゆうちょ銀行(郵便局)で寄付の場合
「練馬みどりの葉っぴい基金」パンフレットに掲載されている専用の払込取扱票をご利用ください。払込取扱票は500円以上の寄付での利用をお願いいたします。パンフレットは、練馬区役所本庁舎18階・みどり推進課窓口ほか、牧野記念庭園などの区立施設で配布しています。
〈詳しくはこちらから〉
ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で寄付の場合
寄付金額2,000円以上からお申し込み可能で、寄付控除が受けられます。「ふるさとチョイス」からの寄付はクレジットカードや電子マネーにて決済できます。休日を含めて24時間いつでも受け付けています。
〈詳しくはこちらから〉
引き続き、皆さまのご支援をお願いします!
施設情報
施設名:牧野記念庭園
所在地:練馬区東大泉6-34-4
開園時間:9時~17時
休園日:火曜(祝日は開園、次の平日が休園)、年末年始
[練馬区立牧野記念庭園公式サイト]