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【取材記事】森を安全に管理する方法を身に着ける! ねりまの森維持管理コースの講座を見学しました

2024年10月22日|カテゴリー:みどりの区民活動応援プロジェクト

地域活動の基礎を学べる区民向け講座、「つながるカレッジねりま」。福祉・農・防災・みどりの4分野5コースから、実践的な知識や地域活動団体の立ち上げノウハウなどを学べるのが特徴です。
今回は、憩いの森(※)などの管理活動に必要な知識と技術の習得を目指す「ねりまの森維持管理コース」をご紹介します。(取材日:令和6年(2024年)10月5日)

(※)憩いの森…私有地の樹林を区が無料で借り、区民の皆さんが自然と触れ合える場所として使えるようにした場所。練馬区には、憩いの森が39か所、街かどの森が6か所あります。そのうち、一部の森では区民団体が樹木の剪定、清掃、森の魅力を発信するイベントなど、みどりを守り育む活動を行っています。

井頭こぶし憩いの森(東大泉7-26)

西本村憩いの森(大泉学園町2-23)

樹木と草地、2つの専攻を選べる「ねりまの森維持管理コース」

「ねりまの森維持管理コース」には、主に中低木の剪定技術を学ぶ「樹木管理専攻」と、主に草刈りの技術を学ぶ「草地管理専攻」の2つがあります。

取材した日は、草地管理専攻、全6回講座の5回目。今回は西本村憩いの森で草刈り実習の予定でしたが、あいにくの空模様。実習は後日に延期となり、会場を練馬区役所19階の会議室に変更し、実際の刈払機を使って取扱い方を学びました。

講師の小笠原 良徳さん。「説明が分かりやすい!」と受講生の皆さんにも好評です

まずは刈払機の組み立て方から。一通り、小笠原講師のデモンストレーションを見た後、順番に体験していきます。最初はハンドルを逆に付けてしまう人もいましたが、他の人の失敗を見るのも勉強。後半の方は、スイスイとできるようになっていきました。

段々上達する皆さん。ポイントは無理に力をかけて組み立てないこと

保護具の試着も。カメラに向かって「はいポーズ!」

組み立てた刈払機や保護具を身に着けるうちに、「やっぱり草を刈ってみたい!」と草刈りモードになってきた皆さん。森での作業が好きな方が集っているのがうかがえました。
 
次はナイロンコードの取り換え実習。草刈りをするときに必ず必要になる作業です。小笠原講師のお手本を見たあと、再び一人ずつチャレンジ!

ナイロンコードを高速回転させて草を刈り取る仕組み。金属刃を使ったものより安全です

作動させると「ブオーン」と勢いのある音が! 「おお!!」と声が上がりました

「あいにくの天気で実習はできませんでしたが、じっくり刈払機を触ってもらえてよかったと思います」と、小笠原講師。講習最後に修了証を受け取り、皆さん誇らしげな表情をうかべていました。

立派な講習修了証!「危険を伴う作業だからこそ、しっかり講習を受けてほしい」と小笠原講師

今回の取材では、実習の様子を見学することはできませんでした(残念!)。写真は昨年の草刈り実習の様子です

受講のきっかけとその思い

憩いの森の管理をきっかけに受講する方も多い「ねりまの森維持管理コース」。令和6年度の受講生の間でも、それぞれの森の情報交換をする様子が見られました。今回インタビューに応じてくださった大森さんと深堀さんもそんなおひとり。大森さんは高松しいのき憩いの森、深堀さんは竹の子憩いの森で管理活動をされています。

大森 梓さん(左端)、深堀 裕樹さん(右から2番目)、大森さんと一緒に受講した「NPO法人障がい児・者の学びを保障する会3B!!!s」の皆さん

―――受講のきっかけは?

大森さん「高松にある団体『NPO法人障がい児・者の学びを保障する会 3B!!!s』で、高松しいのき憩いの森の管理活動を始めたことがきっかけです。森の活動を続けるうちに、もう少しスキルアップした関わり方ができたらと思い、3B!!!sの仲間と一緒に4人で参加しました」

大森さん

深堀さん「私は大泉にある福祉作業所『トントゥハウス』に勤めています。作業所の利用者さんが、森での仕事や遊びが好きだったので、近くに活動場所がないか問い合わせたところ、竹の子憩いの森を紹介してもらいました。そこで管理を始め、知識を付けたいと思ったことがきっかけです」

深堀さん

―――講座を終えての感想はいかがですか?

大森さん「今日習った刈払機やハサミなど、道具の使い方を一つ間違えると本当に危険です。しかし、上手く使えれば正しく安全に森を管理することができます。それを毎回の講座で分かりやすく教えていただきました。3B!!!sのメンバーにもマンツーマンで丁寧に教えてくださり、全員がしっかりと知識と技術を身につけることができました」

深堀さん「草花の名前をあまり知らなかったのですが、そういった基本知識から学べるところがよかったです。竹の子憩いの森には、近隣から保育園の子どもたちが遊びに来ます。講座で得た知識で一層地域交流が深まることが楽しみです」

―――今後、講座で学んだことをどんなふうに生かしていきたいですか?

大森さん「森を管理していくことに加えて、森の魅力を発信していきたいです。3B!!!sでは、森で廃棄になる葉や実、枝を染料にして草木染めを仕事にしています。11月には『ねりまの森こどもフェスタ』のイベントとして、染め物体験を実施します。そうしたイベントを通して、たくさんの方に森の魅力を知ってもらいたいです」

深堀さん「1年間、森の管理活動をやってみて、竹の子憩いの森ではタケノコがたくさん生えることが分かりました。そうした森の恵みを生かしたイベントを開催できるのではないかと考えています。さっそく、落ち葉や枝を集めてバイオネストを作るイベントを企画しました。私も未知の部分が多いので、いろんな人を巻き込んで森を守り育てていきたいです」

大森さん・深堀さん「イベントで森に人を呼ぶためには、安全に森を管理できてこそ。そのための知識と技術を、系統立てて学べてよかったです」

3B!!!sの3名も含め、皆さん森の管理に自信が持てた様子でした。これからの活動がますます楽しみです!

受講生の皆さん。小笠原講師を囲んで記念撮影!
終始、和気あいあいとした雰囲気でした

みどりを守り育てる活動団体を応援する「みどりの区民活動応援プロジェクト」

区内には、本日の受講生の皆さんも所属している憩いの森の管理団体など、みどりを守り育む区民団体が多数あります。練馬みどりの葉っぴい基金ではそのような区民団体の活動がさらに活性化するよう、管理活動等に使用する用具を充実させ、支援していきます。

みどりの区民活動応援プロジェクトの寄付金の募集期間は令和7年(2025年)3月31日まで。引き続き、寄付のご協力をお願いします。

この他にも様々なプロジェクトがあります。皆さまからのご支援をお待ちしています。

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