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【取材記事】中里郷土の森のホタル保護活動が始まっています!
2023年12月28日|カテゴリー:中里郷土の森ホタルプロジェクト
今年の夏に行われたホタル観察会から数か月が過ぎました。秋の中里郷土の森では、ボランティアの方々の力を借りて、来年のホタル観察会に向けてすでに準備が進められています。その作業の様子をお伝えします(取材日:令和5年(2023年)10月24日)
ボランティアの皆さんと一緒につくるホタル観察会
令和5年(2023年)6月16日から7月9日までの金・土・日曜日に開催された「ホタル観察会」は、1,887名の方が来場されました。
ホタル観察会には、地域のボランティアも多数協力しており、来場者アンケートでは「ボランティアの皆さんからいろんなお話が聞けてよかった」などの声が寄せられました。
ホタル観察会の様子はこちら
ホタルの幼虫が育つ環境は今、どうなっているのでしょうか。中里郷土の森・現場統括責任者の松田直孝さんに伺いました。
中里郷土の森の松田さん
中里郷土の森のスタッフの皆さん
「今年の夏に産卵したホタルの卵がかえり、幼虫が施設内の小川や池、屋内の観察水槽で育っています。幼虫は水中で越冬し、春先に陸上に出てきて土の中に潜り、さなぎになった後、羽化して初夏に成虫になります。成虫となったホタルの命は短く、一生のほとんどを幼虫として水中で暮らしているんですよ」
屋内の観察水槽で育てているホタルの幼虫
中里郷土の森のホタルを守る「中里ホタルを楽しむ会」
ボランティアでホタルの保護活動をしているのは、「中里ホタルを楽しむ会」の皆さん。大泉町1~4丁目の町会の方や、北大泉商栄会の約30名がメンバーです。
主な活動は、ホタル観察会での展示説明などの手伝いと、オフシーズンの整備活動。観察会開催前の5~6月には、ホタルが観察しやすいよう池や小川の周りの草刈り、秋にはホタルの越冬準備を行います。
今回の活動日には、22名の会員が参加。当日の作業内容の説明を受け、「昨年とは違う作業をしようかな」「人手が足りないなら、そっちのチームに入るよ」など、調整をしながらチームができていきます。
「中里ホタルを楽しむ会」の皆さんが整備作業の説明を受けている様子
当日の作業内容
ホタルの生育環境整備に汗を流す、秋の日
チーム分けが終わると、それぞれの持ち場に分かれて作業開始。この日は気持ちのよい秋晴れで、水辺もあまり寒くなく、夏に比べると蚊やアブなどの虫も少ない、まさに作業日和です。
「園内の池や小川、ビオトープ池は人工的に作られたもの。自然の川のような流れがなく、泥や落ち葉が溜まりやすいので、泥をかき出して幼虫が育ちやすい環境を作ります」
池の泥や落ち葉をかき出す作業
ホタルの飼育装置改良に向けての屋根の解体作業
カワニナやタニシなどの巻貝を取り出す作業
ろ過槽の洗浄作業
泥をかき出した小川は見る見るうちにきれいになり、モチベーションも上がります。会員の皆さんは作業に慣れていて、中には自分用の草刈鎌を持っている人も。会員同士の再会を喜ぶ姿もあり、地域の顔なじみで運営されていることがよくわかります。
一人ひとりのホタルを思う気持ちが大きな力になって
作業に参加した会員の方に、感想などを伺いました。
「夏の観察会ではゲームを担当。来場されたお子さんとのコミュニケーションが楽しくて、秋の保護活動も参加したいと思いました。自分が住むこんな近くにホタルが育つ環境があることを大切にしたいです」
「子どもの頃は田舎で育ったので、ホタルを見た思い出があります。東京でもホタルを見られることがうれしい」
「個人宅の庭を開放してホタル観賞会をしている方に育て方を教わったのが、『中里ホタルを楽しむ会』の出発点。平成29年(2017年)の中里郷土の森の開園以前から、ホタルについての勉強を重ね、この場所でホタルを育てるために尽力してきました。大工さんや左官さんといった土木に強い会員さんが池や小川等のホタルの育成環境を整え、多くの方の協力でここでホタルを楽しむことができるようになりました」
作業中のボランティアの皆さま、清々しい笑顔でした!
ホタルを通じて、自然豊かな大泉の魅力を広めたい
中里郷土の森の松田さんも「かつて見られたホタルの光を取り戻す」という、当初の目標は果たせたと語ります。今後は「ホタルを通して地域の自然の魅力を伝える」という、次の目標にシフトしていきたいとのこと。
「ホタルの観察会は全国各地で行われていますが、中里郷土の森では『光っていたね』『キレイだったね』だけで終わらせず、その次を考えたい。その一環として、今年の観察会では、ホタルにまつわる特設展示や夜行性の生きものを展示し、広がりのあるイベントにしました。これからもホタルを通じて、大泉の自然を伝えていくことに取り組んでいきます」と語ります。
また、令和4年(2022年)年3月に完成したビオトープ池も、開設から1年半を経て、鳥や虫が集まる場になってきています。
取材日のビオトープ池の様子
「最近では、コシアキトンボのヤゴ(幼虫)を初めて確認しました。トンボの成虫はこれまでも確認されていますが、ヤゴは初めてです。ここでトンボが産卵したということは、虫たちに親しまれている場になっている証なのではないかと思います」
皆さま、本当にお疲れ様でした。次回のホタル観察会が今から楽しみですね!
あなたの寄付がホタルを育てる「中里郷土の森ホタルプロジェクト」
練馬みどりの葉っぴい基金では令和5年(2023年)4月から「中里郷土の森ホタルプロジェクト」がスタート。寄付金を活用し、ホタルの数を増やし、より多くの方にホタルの光を届けるため、ホタル観察会用の展示設備を充実させます。寄付をしていただいた方は、来年度の「ホタル観察会」に寄付者優先参加枠としてご招待いたします。(申込多数の場合、抽選となります。なお、中里郷土の森までの交通費等は、寄付者様自身の負担となりますのでご了承ください。)
寄付金の募集期間は令和6年(2024年)3月31日までです。引き続き、寄付のご協力をお願いします。
中里郷土の森ホタルプロジェクト
練馬区立中里郷土の森緑地
所在地:練馬区大泉町1-51-2
開園時間:9時~17時(10月~2月は9時~16時30分)
電話:03-3922-3021
休園日:毎週火曜日(祝日の場合、その直後の祝休日でない日)、年末年始(12月29日~1月3日)
中里郷土の森公式サイト