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【取材記事】自然の中で泥だらけになって遊べる「こどもの森」
2023年9月28日|カテゴリー:区民の森プロジェクト
練馬区羽沢の住宅街にある「練馬区立こどもの森(通称:こどもり)」は、練馬みどりの葉っぴい基金 区民の森プロジェクトで寄付を募集している公園です。公園と言っても一般的な遊具はなく、こどもたちが大人のプレーリーダーと一緒に遊びを考え、自由気ままに楽しむことができるまるでサンクチュアリのような場所。こどもだけではなく、近隣のシニアの方なども訪れこどもの遊ぶ姿を見守る、そんな貴重なコミュニティスペースにもなっています。
遊び方は十人十色!
虫かごにオスとメスの蝶々を一緒に入れて「結婚して子孫を残させるの」と話す子、泥水の入った容器に身体を沈めて水浴びを楽しむ子、ベーゴマの勝ち抜き戦に興じる子…。
こどもりでは、敷地内のさまざまなところで、こどもたちがそれぞれの遊びを楽しんでいます。
ここにはブランコや滑り台といった遊具は一切なく、そこにあるものを使って、想像力で遊びを作り出していきます。ノコギリやトンカチに、釘、ノミ、そしてスコップやジョーロ、タイヤ、雨どいなど、園内にあるものは自由に使えます。
ひとりでも来ても、友達同士の大勢でもきても遊べる場所です。
雨どいを組み合わせた水路に水を流す子たち
木工道具で、黙々となにかを作る子
失敗OK!だから、楽しく遊んで成長します
こどもたちの遊びの相手と見守り役を務めるプレーリーダーの森田敦也さんに、こどもりの敷地内を案内していただきました。
プレーリーダーの森田さん
「大切にしているのは、失敗してもOKな雰囲気や文化です。こどもりで遊ぶこどもたちは、自分で考えて、やってみて、失敗して、また考えてを繰り返す…を楽しみながら、日々、進化!?成長していくんですよ」
初めてこどもりに来て、何をしたらいいか分からないこどもには、興味がありそうなことを一緒にしようと誘ったり、こんな遊びができるよと紹介してくれるそうです。
「まずは、こどもがやりたい!ことを見つけるサポートをします。夢中になって遊び始めたら、その世界を極めていくサポートもします。夢中に遊んでいるこどものエネルギーってすごいです。次々といろんなことを思いついて、遊びがどんどん発展していきます」
ウェブサイトやチラシを見て初めて訪れる親子も多く、遊んでいるうちにこどもたちのテンションが上がり、普段は出さないような大声に驚く親御さんも!
「服が汚れるのを気にせず遊べるように、寄付で頂いた服の貸し出しもあります。(幅広い年齢の服があります)今のこどもは、土遊びをする場所も機会もほとんどないし、大きな声を出すと迷惑がられてしまいますよね。ここでは汚れるのが当り前だし、大声を出しても、とがめる人は誰もいませんよ」
泥んこプールに夢中!?
地域のコミュニティスペースを目指して
森田さんは、こどものための遊び場だけではなく、地域の交流の場になってほしいと、町内会の方々とも話し合いをしているそう。とくにシニアの方には、自らの経験や知識をこどもに教えてほしいと言います。昔遊びのベーゴマや、釘を地面に刺して遊ぶ「釘刺し」なども大人気!
「刺繍や編み物が得意な方が来て、こどもたちに教えてくれるとうれしいですね」
取材日に行われていたベーゴマ大会。昔遊びに、真剣にチャレンジするこどもたち
2人のお子さん連れの区内在住の増田さんは、お弁当を持って朝から1日中いることもあるという常連さんです。
「普通の公園だとこどもがすぐに飽きちゃうんですけど、ここに来るといつまでたっても帰りたがらないんです。遊びだけじゃなくて、野菜が成長していく過程なども観ることができて『食育』にもなりますね。近所の方が来て『こんにちは』と言える場所ですから、もっといろいろな方に来てほしいです。空調のある室内スペースがあると、シニアの方も来やすくなると思います」
常連の増田さん親子
また、こどもと畑作業をしていたお母さんは、「不登校だった娘をフリースクールなどに入れても続きませんでした。ここにたどり着いてプレーリーダーと遊んでいるうちに、娘が本来の自分を取り戻せた」と話してくれました。
「成長が楽しみ!」と、種まきから収穫まで、こどもや保護者などの来園者が世話をしている野菜畑
今後こどもりをどうしていきたいか、こどもりの夢
「向かいの『羽沢けやき憩いの森』をこどもりにする計画もあります。スペースを拡張できたらニワトリを飼いたいですね。こどもたちと一緒に世話をして、卵を収穫し、畑で採れた野菜で料理をして、みんなで食べたら『食育』になります。なにより、生き物に接するのはとても大事なことですから。あとは、休憩やミーティングなどができる屋内のコミュニティスペースを作れたら、近隣のこどもや保護者だけではなく、シニアの方々にも来てもらえるのではと思っています」
あらゆることがデジタルでスピーディにできてしまう時代ですが、こどもりには自分で考え、工夫しながら、遊びを自分で作ってしまうという遠い昔のアナログな世界が広がっていました。
キウイ棚の木陰からこどもたちの笑い声が聞こえてきました
施設情報
施設名:練馬区立こどもの森
所在地:練馬区羽沢2-32-7
開園時間:3月〜9月は9時〜17時/10月〜2月は9時〜16時30分
電話:03-5999-6200
休園日:年末年始(12月29日~1月3日)
練馬区立こどもの森公式サイト
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練馬みどりの葉っぴい基金では、将来、こどもの森を広げ、冒険ゾーンの整備などの活用するために寄付を募集しています。
皆さまのご協力に感謝申し上げます。引き続き、皆さまの応援をお待ちしています!